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島田 耕史
no journal, ,
本報告では、もんじゅの敷地内破砕帯の追加地質調査の報告内容のうち、もんじゅ敷地内に見られる江若花崗岩中に発達する小規模破砕帯の走向が示す複数の系統について、客観性の向上により説明をわかりやすくすることを目的として試行している方位統計学的検討結果と若干の構造地質学的考察をのべる。データは、8個のフォン-ミーゼス分布の混合であると算出された。全体の方位密度分布曲線は2個のピークを示す。これまで自明とした主要な「2系統」は、方位集中度の方位統計学的検討によっても客観的に根拠づけられた。2系統の破砕帯は、系は右ずれ、-3系は左ずれを主体とする。両破砕帯内には黒雲母の塑性変形が普遍的に観察されるので、形成温度条件は比較的高温である。両破砕帯は方位統計学的に同程度に発達しており、N30E方向を挟む斜方対称的な分布をなし、互いに切断する関係である。これらのことから両破砕帯は共役系をなすと解釈される。この変形は、第四紀後期の東西短縮の状況とは整合しない。これらの状況は、両破砕帯が、現在の地表付近の環境で形成されたものではなく、古い地質構造であることを示している。
島田 耕史; 後藤 翠; 佐々木 亮道*; 照沢 秀司*; 小松 哲也
no journal, ,
本報告では、リニアメント分布データの説明性を方位統計学的な客観的表現により向上させることを試みた。南九州で測地学的に認められるせん断帯において判読されたリニアメント分布の方位統計学的検討により、長さ重みづけされたリニアメントの方位分布が5つのvon Mises分布に分解できることが明らかになった。東西方向のリニアメントが集中する領域の客観的抽出を試みたところ、長さ重みづけをしないリニアメント方位のヒストグラム(ローズダイヤグラム)や肉眼による経験的, 定性的な分布傾向把握と整合的な結果が得られた。